テニスはラケットスポーツなので、マラソンのように身体とシューズがあればできるというわけではありません。
新しく趣味としてテニスを始めようと思ってるけど何が必要で費用はどのくらいかかるの?
という方のために、テニスをするために必要なものとをまとめていきます。
筆者は高校ソフトテニス部(後衛)、大学で部活4年・社会人8年超経験し、現在も週に6時間以上プレイしています。スクールでは上級クラス。プレイスタイルはボールをひたすらつなぐシコラー。得意なショットはサーブ・スマッシュ・バックハンドスライスです。
テニスはラケットとボールを用いて相手と打ち合って得点を競うスポーツです。
道具を使う競技なので、当然ラケットが必要なのですが、その他にもいくつか必要なものがあります。
そして、それぞれの道具は種類も豊富ですので以下の内容を整理していきます。
結論から言うとテニス入門で一式揃えると、およそ5万円ほどかかります。
引き続きそれぞれの道具の選び方や購入方法について解説していきます。
テニスラケットを購入する
テニスラケットは様々なメーカーから様々なスペックのラケットが発売されているので、何を買えばいいのかが分かりにくいと思います。
初心者がテニスラケットを購入するためのポイントは以下の5つです。
ラケットの価格とおすすめの購入方法
新品で購入する際のラケットの価格はおおよそ以下の通りですので、あらかじめ準備しておきましょう。
上記の通り、ネット通販がダントツで安いので、店舗で購入する理由はほとんどありません。
デザインを確認するために店舗に行くのはありですが、購入はネット通販がお勧めです。
ネット通販でなぜこんなに安く購入できるのかなどの詳細は以下の記事でまとめています。
>> テニスラケットを安く購入する方法を徹底解説
大手メーカーのラケットから選ぶ
プロ選手も使用している大手メーカーから発売されているラケットを購入しましょう。
テニスラケットのシェア99%を占めているのは実は7社しかありません。残る1%は他メーカーですが、初心者は大手メーカーから選ぶことをお勧めします。
大手テニスラケットメーカー7社とATPランキング100位以内選手の使用人数は以下の通りです([ ]内はATPランク100位以内選手の使用人数)。
ATPとはAssociation of Tennis Professionalsの略。直訳すると「プロテニス協会」ですが、男子プロのみの協会です。ATPランキングとは世界男子プロのランキングのことです。
ちなみに女子はWTA(Women’s Tennis Association)です。
大手メーカー以外にもたくさんのメーカーがあり、もちろん良いラケットを作っているメーカーばかりですが、マーケットを競う力のあるメーカーの方が日本で入手しやすいです。
それに、多くのプレイヤーが上記のメーカーのラケットを使用しているので安心できます。
黄金スペックのラケットから選ぶ
高校生以上の方がテニスをスタートするのであれば「黄金スペック」のラケットがおすすめです。
「黄金スペック」のラケットとは国内市場で流通しているラケットで最も標準的なスペックのラケットのことで以下の3つの特徴を持つラケットを指します。
ラケットの重量については以下に詳しくまとめています。
>>初心者が購入すべきテニスラケットの重量は?
黄金スペックラケットは初心者〜上級者まで幅広く扱えることから、使いづらくて買い直すということになりにくいのです。
黄金スペックラケットの中でも、それぞれコンセプトがあり、打った感覚(打感)やボールの飛び具合が異なるのですが、初心者の間はプレイスタイルも定まっていないので気にする必要はありません。
2本目のラケット購入を検討するようになったら自分に合うラケットが何かを考えていきましょう。
初心者におすすめのテニスラケットを以下の記事でまとめています。
>>初心者におすすめのテニスラケット
好きな色・デザインのラケットを選ぶ
ラケットのデザイン自体はプレイに影響することはありませんが、デザインはラケットを選ぶ上で重要な要素なのは間違いありません。
「デザイン」や「ブランドの好み」で選ぶことで、モチベーション維持につながり、練習に積極的に向き合い、上達を早めることにもつながるかもしれません。嫌いなデザインのラケットを使ってもテンションが上がらなければ練習にも熱が入らないですよね。
テニスを趣味として続けるうえで最初の壁となるのが、テニスが楽しいと感じるようになるまでに少し期間が必要なことだと考えています。
プロの試合を観戦したり、漫画やゲームなどをきっかけにしてテニスを始めてみると、すぐにミスしてラリーが続かないことはよくあります。ラケットを扱うのは難しいです。
そんな、まだテニスが楽しいかわからない期間のモチベーションを保つためにも、自分の好きなデザインのラケットを購入することがおすすめです。
>>初心者がフォアハンドストロークを改善するための3つのコツ
発売から3年以内のラケットから選ぶ
デザインとか好みの話と似ていますが、発売してから3年以内のモデルを選ぶことをお勧めします。理由は以下の通りです。
テニスラケットの素材はウッド→スチール→アルミ→カーボンと変化を遂げており、現在もカーボンが使われたラケットが主流です。
最近のラケットは素材自体の変化こそ少なく、実際に体感できるほどの進化を感じにくいことも多いですが、衝撃吸収や打感、飛ばしやすさをモデルチェンジのたびに改善していて、最新技術が取り入れられています。
また、ラケットのモデルチェンジは2〜3年のサイクルになっていますので、新しいもの好きであれば最新モデルから選べますし、コストを抑えたいとして1つ前のモデルを選んでもOKです。
最新のラケットを購入してスクールに行くと、ラケットの話が好きなおじさんから話しかけてもらえたりして、それがきっかけで仲良くなるなんてこともあります。
中古ラケットは選ばない
ラケット購入のコストを抑える方法として中古ラケットを選ぶというのも一つの手段としてありますが、初心者はお勧めしません。
中古ラケットは美品といえど、使用済みなので少なからず傷がついています。これからテニスを始めるぞ!というときに傷がついたラケットでは本気で取り組めないと思います。
また、テニスラケットはフレームにストリングを強く張る構造であるため、見た目以上にフレームにダメージが蓄積されていて、これは見ただけでは判別不能です。
購入して少し経過して、フレームが歪んだり、ひびが入ったりするケースもなくはないです。
新品を安く購入した方が安心できます。
テニスラケットにストリングを張る
テニスラケットを購入したら、ストリングを張りましょう。
ストリングとはラケットに網目状に張ってある糸のことを言います。 他にも、「ガット」という呼ばれ方もします。
ストリングの価格
ストリングの価格はピンからキリまであり、素材や製法によってコストが異なる都合上、メーカーが価格を定めていますがおおよそは以下の通り。
上記は定価ではなく通販を利用した場合の実勢価格です。実店舗だと定価に近くなってくるので、ナチュラルだと10,000円を超えてくることもあります。
素材と構造については事項で解説します。
ストリングの素材と構造
「ガット」というのは腸という意味で、文字通り動物の腸を糸状にしていたことが語源です。現在でも「ナチュラルガット」として販売されていますが、高価で高反発で独特の打感が特徴です。
ナイロンやポリエステルを主原料とした、「シンセティックストリング」が現代の主流です。
そして、シンセティックガットの構造は単線構造のモノフィラメントと、細い繊維を集合させたマルチフィラメントがあり、ナチュラルストリングと合わせ、5種類に分類されます。
テニスを始める段階では、こんな種類があるんだ、くらいに思っておけばOKです。とにかくガットの種類とそれぞれの特徴については奥が深いので時間をかけて試しながら学んでいきましょう。
縦糸(メイン)と横糸(クロス)を異なるストリングで張ることをハイブリッドと呼び、錦織圭選手もナチュラルとポリエステルモノのハイブリッドで張っています。
おすすめはナイロンマルチストリング
テニスのストリングについては、ラケットと同じように奥が深く、「これが正解」と断言できる物はありませんし、ラケットよりも種類が豊富にあるので、上級者でも自分にマッチしたストリングを探していることも多いです。
いろいろなガットを試すのもテニスの楽しさの一つですが、最初のストリングについてはナイロンマルチフィラメントのストリングがおすすめです。
具体的には以下の3つがおすすめです。
上記のストリングは3つとも打感が柔らかめで評判も良いのでお勧めです。
同じストリングでも様々な太さがラインナップされていてメーカーによって16とか130とか1.30mmとか表記が様々なのも覚えておきましょう。
ナイロンガットの太さは1.3mmが標準的ですので、最初のストリングも1.3mmを選択しましょう。
おすすめのストリングテンションは40〜50ポンド
ラケットを持参してテニスショップで張りをお願いする際には、テンションをどのくらいにしますか?と聞かれます。
ストリングテンションとはラケットにどのくらいの強さでストリングを張っているかを示す指標のことです。
テンションの単位はポンド(lbs)で表記し、ラケットの性質やプレイヤーの好みに合わせて40〜60ポンドで張るのが一般的です。
馴染みがない単位ですが、1ポンド ≒ 0.453kgです。
張りが緩い(数字が小さい)ほど打球時にトランポリンのようにたわみやすく、柔らかめの打感でゆったりとしたスイングでも飛びやすくなりますので、初心者は緩めに張ることをおすすめします。
ガットのテンションによって、打球時の感じ方や飛び具合が変わってきますので、張替のたびにテンションを変えてみて自分好みのテンションを見つけていきましょう。
ガット張りは専門店だと30分程度で張り替えてくれる店もあるのですが、大型スポーツショップなどでは依頼してから2日〜1週間ほど待たされるのでテニスをする日に間に合うように余裕を持って張替を依頼しましょう。
おすすめのテニスストリングについて詳しくは以下の記事でまとめています。
>>初心者から上級者までおすすめのテニスストリング10選
テニスボールを購入する
当然のことながら、テニスボールがなければテニスをプレイすることはできません。
テニスボールもいくつか種類があり、価格もピンからキリまであります。
テニスボールの価格
テニスボールも複数商品がありますが価格が安ければ粗悪になる傾向がありますが、上記は実績あるメーカーであるダンロップから販売されているボールで比較しました。
価格差はわずかですが、球出し練習をするとなると1かごを満たすのに60球〜80球ほど必要ですし、ラケットやシューズと異なり消耗サイクルも早いのでコストパフォーマンスで選んでいく必要があります。
ただ、自分で練習を主催しない限りはボールは用意されていることが多いので、自主練用にいくつか持っておけば十分というケースがほとんどです。
テニスボールの種類
3〜4球ずつ密封された缶から開けて使う「プレッシャーボール」と、30個入りとかでまとめてある「ノンプレッシャーボール」がありますが、初心者の場合は「ノンプレッシャーボール」で問題ありません。
プレッシャーボールはプロの試合でも使われているボールなので、本来はプレッシャーボールで練習したほうが良いのですが、1球あたりの価格が高く、缶を開けてから時間経過で空気が抜けてしまうという特徴があります。
対して、ノンプレッシャ—ボールは試合で使われることは少ないものの価格が安く、ゴムの反発力を利用しているので時間経過で空気が抜けるというデメリットがありません。
その代わり、ノンプレッシャ—ボールの方が打感が固く、打球時にボールが重く感じやすいのですが、違いを顕著に感じるのは、ハードヒットした時ですので、初心者の場合はあまり問題にならないのです。
初心者におすすめのテニスボール
おすすめのノンプレッシャーボールはSRIXON LPです。SRIXON LPはノンプレッシャーボールの中でも打球感がプレッシャーボールに近く、耐久性や品質にも満足できます。
部活に入部する人を除いて、初心者のうちは練習頻度がどのくらいになるのかわからないと思いますし、スクールに通う場合は自分がボールを用意する必要がないことも多いです。
たまに仲間内でテニスをするときのためには、まずはノンプレッシャーボールを30球程購入しておけば事足ります。
仲間内で試合をするときにプレッシャーボールを1缶だけ開けるというのもありです。
テニスボールの種類について詳しくは以下の記事でまとめています。
>>テニスボールの種類と選び方
テニスシューズを購入する
テニスを始めるのであれば、テニスシューズは必須です。
ランニングシューズとかで代用できないの? という疑問があるかと思いますが、テニスは前だけじゃなく、後ろにも走りますし、左右にも激しく動きます。
また、勢いよく右に走った次の瞬間には左に向かうというような動きが頻発するテニスにおいては、前に走ることを前提としてつくられたランニングシューズでは踏ん張りがきかずに、足を滑らせたり捻挫したりする危険性が高まります。
安全にテニスをプレイするためにも、テニスシューズを着用するようにしましょう。
テニスシューズは大きく分けて「オールコート用」と「オムニクレイコート用」の2種類があります。
これは自分が利用するテニスコートに適した方を購入しましょう。
普段利用するコートがハードコートであればオールコート用、オムニ(砂入り人工芝)コートやクレイコートであればオムニクレイコート用を購入してください。
テニスシューズの価格
シューズの価格は最新・型落・グレードで値段が様々で5,000円〜15,000円くらいとかなり幅があります。
当然最新のハイスペックモデルは高いので、初心者であれば無理をせずに安価なモデルで問題ありません。
オムニクレイコート用
ソール(靴底)を見ると一目瞭然で、イボイボがついているのがオムニクレイコート用シューズの特徴です。
オムニコートでオールコート用シューズを着用してプレイする場合は、足元の踏ん張りがききづらく滑りやすくなりますので注意してください。
オールコート用
オールコート用のソールはイボイボがありません。
ハードコートでオムニクレイコート用シューズを着用してプレイする場合は、足元の止まりが良すぎて足を挫きやすくなりますので注意してください。
おすすめの購入方法
テニスシューズは足にフィットしないと靴擦れを起こしたり、動きにくかったりします。
テニスシューズは通常のスニーカーよりも足に密着するように履くべきで、普段より0.5cm小さいものを選ぶとフィットしやすいです。
フィット感は実際の店舗の方が確認しやすいので、最初は店舗で確認して購入するのが良いです。
価格を安く抑えたいならAmazonや楽天がおすすめですので、店舗でフィッティング→ネットで購入というのもありです。
ネットだとポイント還元もあり、店舗よりも数千円安く購入できます。
テニスシューズの種類・選び方について詳しくは以下の記事でまとめています。
>>テニスシューズの選び方
テニスウェアを購入する
テニスウェアは公式の試合に出るわけではないのであれば、専用のテニスウェアではなく、ジャージ等で問題ありません。
ジャージでも問題ないがポケットがないとNG
注意点としてはボールが複数個入れられるポケットがあることが望ましいです。
試合の場合はボールを1個ポケットに入れた状態でファーストサーブを打つので、最低1個入れられればいいのですが、ポケットが浅いと激しく動いているうちにポケットから落ちてしまうこともあるので、複数個入れられるようなポケットが良いです。
また、練習の時に、3球〜5球交代でラリーをしたりすることも多いので、3球はポケットに入ると良いですね。
女性のフィットネスウェアにはポケットがないものもありますよね、ポケットがないと練習でも不便です。
ラケット・シューズと雰囲気やメーカーを合わせるのがお勧め
ラケットやシューズとメーカーを合わせると統一感がでて、気を遣ってるな、という雰囲気が出るのでおしゃれですね。
メーカーによっては、シューズは作っているけど、ラケットは作っていない、というのもあるので、無理に統一する必要はありません。
ラケット・シューズ・ウェアでメーカーが異なっても、似合っていればOKです。
知っている選手や好きな選手のウェアを選ぶのもあり
知っている選手や好きな選手のウェアメーカーで選ぶのもありだと思います。
何人か例に挙げてみましたが、ナイキが多い印象です。
西岡良仁選手はラケット・シューズもヨネックスで統一されています。
トッププロのウェアについて詳しくは以下の記事でまとめています。
>>男子トッププロ着用のウェア10選
最終的には自分好みのデザインを選ぶ
最終的には自分の好みで選ぶようにしてください。
テニスウェアはあまり知られていないメーカーからも販売されているのでデザインのバリエーションが豊富です。
スニーカーで有名なニューバランスもテニスウェアを販売していたりと、初心者の方は意外に思うかもしれませんね。
公式サイトやAmazon・楽天などで好みのウェアを探してみてください。
テニスウェアの価格
シンプルなドライTシャツとハーフパンツであれば、ユニクロやヨネックスが格安です。
ブランド | Tシャツ | ハーフパンツ | アウター | ボトムス(ロング) |
---|---|---|---|---|
ユニクロ | 1,500円 | 1,990円 | 2,990円 | 2,990円 |
ヨネックス | 1,700円 | 2,200円 | 4,500円 | 4,500円 |
アディダス | 2,500円 | 3,500円 | 5,000円 | 5,000円 |
ナイキ | 2,500円 | 3,500円 | 5,000円 | 5,000円 |
セール品や型落ちも含めて上記がおおよその最低価格というところです。価格帯が高いウェアブランドは他にありますが、まずはリーズナブルなところで揃えていきましょう。
ユニクロのウェアについて詳しくは以下の記事でまとめています。
>>ユニクロのテニスウェアはコスパ最高で初心者にもおすすめ
おすすめの購入方法
ユニクロのテニスウェアなら実店舗で実際に見ながら購入できるので、近くの店舗まで出向きましょう。
ユニクロは安いですが、錦織圭・フェデラーと契約していることもあり、上級者も着用しているケースが多いのでダサくないです。
ただし、錦織圭・フェデラーだからこそ似合っているデザイン・カラーのものもあるので、安易に真似しすぎないようにしてくださいね。
ユニクロ以外であれば、楽天やAmazonで気軽に購入することができますし、シューズのようにサイズにシビアになることはありませんので、普段のサイズで試しに購入してみましょう。
入門に必要な5つの道具 まとめ
テニス入門に必要な最低限の道具について、解説しました。
テニスの道具はかなり奥が深く、ラケットやストリングでパフォーマンスが変わってきます。
まずはテニスを気軽に始めてみて、テニスを楽しんでいきましょう。
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ストリングレビュー一覧
- Solinco Hyper-G(ソリンコ ハイパーG)
- DIADEM Solstice Power(ダイアデム ソルティスパワー)
- GOSEN G-SPIN3(ゴーセン ジースピン3)
- YONEX POLY TOUR PRO(ポリツアープロ)
- YONEX POLY TOUR FIRE(ポリツアーファイア)
- YONEX POLY TOUR REV(ポリツアーレブ)
- Technifibre X-ONE BIPHASE(テクニファイバー エックスワンバイフェイズ)
- LUXILON SMART(ルキシロン スマート)
- Babolat Brio(バボラ ブリオ)
- Babolat RPM POWER(バボラ RPMパワー)
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