硬式テニス経験者であれば一度は聞いたことがある「振動止め」(別名:ダンプ・ダンパー)ですが、実際に振動止めを使うことでどんな効果があるのか、また振動止めのメリットやデメリットをご紹介していきます。
世界大会に出場している選手たちは振動止めを付けている選手と付けていない選手がいますが、付けている選手の方が割合は多いです。
個人差はありますが、結論から言うと初心者の方は「振動止め」はつけておいた方が良いです。その理由も解説していきます。
筆者は高校ソフトテニス部(後衛)、大学で部活4年・社会人8年超経験し、現在も週に6時間以上プレイしています。スクールでは上級クラス。プレイスタイルはボールをひたすらつなぐシコラー。得意なショットはサーブ・スマッシュ・バックハンドスライスです。
振動止めの効果とは
振動止めを付けていないと、ボールを打つ時にスイートスポット(面の真ん中)以外に当たると「ガツッ」という音で振動も大きく伝わってきます。
しかし、振動止めを付ける事でスイートスポットにボールが当たらない場合でも、音の軽減と手に伝わる振動を抑えてくれるので、気持ちや身体に対しての負担が減ります。
振動止めをつける位置は?
正しい装着位置
上記の通りで、基本的には写真のような位置につけることとなっています。
間違った装着位置
時折、スクールとかで一番外側に装着していない人がいますが、厳密にいえばルール違反です。
スクールのコーチが指摘してあげるべきなんですが、気分を害されて空気が悪くなるのを嫌って指摘しないパターンが多いですね。
一応OKな装着例
振動止めを装着する個数については特に定められていません。
振動止めを縦に2個装着する
効果があるかどうかは別として、2個以上の振動止めを写真のように装着するのも、ルール上は問題ありません。
このようにガットの一番外側であれば縦に二つ装着しても問題ありません。
振動止めを横に2個装着する
ワンポイントタイプの振動止めを横に二つ装着するのも問題ありません。
振動止めをバランサーとして使用する
もっというと、ヘッドに近いところに装着するのも、ルール上は問題ありません。
ヘッド付近に装着するのは完全にネタですが、ラケットの重量バランスをトップヘビーにしてみたいという場合に試験的に振動止めを重り代わりに使用するというのもありといえばありです。
本来であれば、バランサーテープという重りでラケットのバランスを整えるのですが、振動止め自体に数グラムほど重さがあるので、トップヘビーにしたらどうなるのかというのを試してからバランサーテープを購入するという考え方もできますね。
どんな人が振動止めを付けるの?
テニス初心者がスイートスポットにボールを当てることは難しいです。
その為、振動止めを付けないとボールを打つたびに強い衝撃が手に伝わってしまい疲れてしまいます。なので、ある程度ラケットの感覚に慣れるまでは振動止めをしておいた方がよいのです。
経験者であれば、打球音の軽減やラケットからの衝撃を抑えたい方は振動止めは必須アイテムといえるでしょう。
プロテニスプレイヤーでも使用率は五分五分といったところですが、錦織圭選手がつけているのは有名ですよね。
振動止めのメリット・デメリット
ラケットに振動止めを付けるメリットとデメリットをご紹介します。
振動止めをつけるメリット
テニス肘予防や手首への衝撃を抑制するほどの緩衝性能はないです。
ボールの飛びについては理論上影響なさそうですが、打感が変わることでプレイヤー側の反応が変化するのだと思います。
振動止めをつけるデメリット
振動の感じ方が良くも悪くも振動止めをつけている打感になってしまうので、ラケットやストリングの特徴を感じにくくなってしまいますね。
振動止めの種類
テニスラケットに使う振動止めは種類が豊富にあります。
それぞれ形やデザインが異なっているので、あなたの個性を出せるアクセサリーにもなるのです。
今回はそんな振動止めの中でもオススメの3つをご紹介しますので、振動止め選びの参考にしてみてください。
バータイプ
バータイプはガッツリと振動を抑えたい方にオススメの振動止めです。
この振動止めはガットを4本以上にわたって接触することで、手にかかる振動を大幅に軽減してくれます。
スイートスポットを外した時の衝撃の軽減度が高いタイプですので、できるだけ衝撃を軽減させたいという人に合うタイプです。
縦糸の上下交互に通して装着するので、ラケットの根本でヒットしてしまった際にも、外れてしまう心配がありません。
ワンポイントタイプ
このワンポイントタイプはとても人気で、学生から社会人まで幅広い年代のプレイヤーに愛用されています。
付け方も簡単で2本のガットの間に振動止めを挟むだけです。
この振動止めはガットを固定する本数が2本と少ないため、スイートスポットでの打感の雑音を軽減させて、ボールの打球感を身体で感じながら打つ事ができます。
つけ外しが楽で価格も安いものが多いので、練習中に打感を比較してみたり、振動止めを使用したことがない人や、ボールを打った時の打球感をある程度残したい方はワンポイントタイプがオススメとなっています。
ボールを打った時に振動止めに当たると外れて飛んでいってしまう事があり、無くしやすいのが玉にきずです。
ひもタイプ(ゴム紐系)
ひもタイプは一番外側の下に結んで付ける振動止めです。
最初は取り付けが難しく感じるかもしれませんが、慣れてくると簡単にできるようになります。
この振動止めはガットを1本だけ固定するので、ワンポイントタイプと同じく衝撃吸収の力はそこまで強くありません。
しっかりと打球感を感じたい方にはオススメです。
ワンポイントタイプと違ってしっかりとガットに固定するタイプなので、ラリー中に外れる事は無いので安心して使えます。
強く結ぶと外しにくいので取り外しの際には少し苦労するかもしれません。
オススメの振動止め4選
振動止めを販売しているブランドは数多くあり、それぞれデザインに特徴があり、おしゃれを楽しめるものもあります。
今回は、数ある振動止めブランドから選りすぐりの4つをご紹介していきます。
Kimony(キモニー) クエークバスター
キモニーはテニス業界にいないとあまり聞きなれないブランドだと思います。
しかし、テニス用品のブランドとしては有名で特に、クエークバスターは世界のトップ選手も数多く愛用しているくらいです。
特徴はやはり、中央にくり抜かれたスペースに配置された球体があること。シンプルなデザインでありながら、機能性もありそうな見た目です。
カラーバリエーションもあり、ワンポイントのアクセサリーとしてもおすすめです。
錦織選手もこのキモニーのクエークバスターを長年愛用しています。
Wilson EMOJI DAMPENER(ウイルソン 絵文字ダンプナー)
テニス界で有名なウイルソンですが、デザイン性溢れる振動止めを数多く販売しています。
ウイルソンから販売されている振動止めの特徴はキャラクターデザインがされているところで、有名なものだとミニオンズとのコラボレーションモデルもあり、バリエーションが豊富です。
スマイルマークのもの一つをとっても、表情が豊富なので、周りと振動止めが被りにくいのもポイントです。
このシリーズは振動軽減性能はキモニーより劣りますので、振動よりも音だけを抑えたいとか、スマイルマークの振動止めをつけたいという方におすすめです。
Yonex(ヨネックス) バイブレーションストッパー
ヨネックスは女性に人気な星形の可愛らしいデザインがあります。
ヨネックスといえばあまりオシャレなイメージはないのですが、国産の良いラケットを作っていて、プロ選手の中でも徐々にシェアを伸ばしているメーカーです。
やはりバドミントンラケットでも圧倒的な評価なのもあって、テニスラケットでも評価を着実に伸ばしていますね。
振動止めに関していえば、西岡良仁選手が星形を愛用しているので、ヨネックスのラケットを使用しているなら合わせたいセッティングです。
Babolat(バボラ) カスタムダンプ
バボラはピュアドライブ・ピュアアエロといったスピン系ラケットと、ストリングで高い評価を得ているメーカーです。
バボラの振動止めは初心者から上級者まで幅広く使用されており、有名な選手でいうとナダルはバボラの振動止めを愛用しています。
バボラのカスタムダンプは2重構造になっていて、中央のパーツを取り外すことができるので、衝撃吸収のレベルを調整することが可能なのが特徴です。
デザインもピュアドライブやピュアアエロに合うデザインなのでナダルファンにおすすめです。
写真だとわかりづらいですが、ナダルは中央のパーツをつけた状態で使用しています。
テニスの振動止めは必要?メリットや効果を解説まとめ
初心者なら最初は付けてみて打感の違いを感じてください。
好みの問題なので、つけない方がすごいとかつけたらダサいというものではありません。
振動止めは好き嫌い分かれるアイテムになります。
なので、最終的には個人で付ける付けないは判断していただければ問題ありません。
初心者の場合はスイートスポットに当てられない割合が高いと思いますので、振動止めを付ける事でボールからの嫌な衝撃が吸収されわずかですが快適にテニスがプレーできるかもしれません。
ためしにスクール初級の妻に打感の違いを味わわせたら、「つけたほうが気持ち良い」と言っていました。
本ブログではほかにもテニスラケットやストリングのレビューをはじめとしたテニスに関する情報を発信していますのでよろしければご参照ください。
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ストリングレビュー一覧
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